ノーベル賞学者、認知科学・行動経済学の権威ダニエル・カーネマン博士の著書「ファスト&スロー」に脳には2種類の思考回路が存在すると説いている。
その人の思考は「速い思考」と「遅い思考」である。
「速い思考」は瞬間的に行われる思考で、例えば地震を感じたら即座に安全な場所に走るといった選択をするといったものです。
ただ、「速い思考」が頼りにするのは記憶(経験値や知識など)なので、記憶自体に偏り(カタヨリ)や誤りがあったり情報が不足していると間違った答えを出す可能性があります。
また、「遅い思考」はワーキングメモリ(作業記憶、作動記憶のこと;短い時間に心の中で情報を保持し、同時に処理する能力)を精一杯使って意識的かつ論理的に判断を下します。
しかし、もし注意が散漫でワーキングメモリが満杯状態であれば、「遅い思考」でも間違った判断を下すことは十分考えられます。
このことから、「速い思考」で下した判断を「遅い思考」で検証するくせを付けることが大事となる。