超入門 資本論①「価値」と「使用価値」

ビジネス本

『資本論』(ドイツの思想家・経済学者カール・マルクスの著作で全3巻からなる大著)は共産主義思想が書かれた本ではなく、資本主義経済の構造を徹底的に分析したものである。

そして、『資本論』には、ぼくらが今生きている資本主義がどんなルールで成り立っているかが書かれている。

『資本論』の重要なポイントは3つに集約される。

①「価値」と「使用価値」の意味を理解しその区別をすること。

②「剰余価値」の意味を理解し、それが生まれるプロセスを知ること。

③「剰余価値」がやがて減っていくことを理解すること

まず、「価値」と「使用価値」について説明すると、「価値」とは「労力の大きさ」で「使用価値」は「使うメリット」のことである。

マルクスは商品(取引をするすべてのもの)には「価値」と「使用価値」があると主張している。言い換えると、「価値」と「使用価値」がないものは「商品」にはならず、他人に売ることはできないということです。

また、「価値」がない(労力がかかってない)ものは、いくら「使用価値」があっても売り物にはなりません。

たとえば、キャンプ場の近くに流れる小川の水がミネラル豊富で健康に良くても、すぐ隣のキャンプ場で売ろうとしても売れません。なぜなら、お客さんも隣のキャンプ場に行って苦労もせずに水が手に入るからです。

そして、商品の価格はおいしさ(使用価値)ではなく労力(価値)で決まっています。

たとえば、30分で作ったカレーと3日間煮込んだカレーとでは3日間煮込んだカレーに高値を付けるはずです。(おいしさにあまり違いがなくてもです)

ただし、商品の価値の大きさは「社会一般的にかかる平均時間・平均労力」で決めることになるので、その平均を大幅に超えることはできません。(個人差があるため)

以上のように、商品の価格を決めるのは「価値」で、そこから価格を上下させるのが「使用価値」となります。

たとえば、いくら使用価値が高くても紙コップが10万円を超えることはなく、いくら使用価値が低くてもジェット機が100万円より安くなることは考えられないのです。

まとめると、値段の相場をつくっているのは「価値」(社会一般的にかかる労力の大きさ)で、相場より値段を上下させるのが「使用価値」となる。

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